TOP塾長ブログかって観た映画「Virus ウィルス」(邦題「復活の日」)

2020年04月19日 日曜日 かって観た映画「Virus ウィルス」(邦題「復活の日」)     ( 塾長ブログ )

私が中学3年生の頃のある日、友人と映画館に行きました。それまで家族と一緒に映画館に行ったことはあっても、友人も一緒とはいえ、自分で劇場(映画館)に行ったのは、この映画を観た時が初めてでした。
それは「復活の日」という角川映画の作品でした。(英題は“Virus”ウィルス) 156分
作家の小松左京さんが1964年に書き下ろしで発表したSF小説を原作に1980年6月に東宝系で公開されたものです。

今の新型コロナウィルス感染拡大と同様に世界が震撼し、混乱に陥っている様子がこの映画でも描かれています。この映画を観た過去の記憶もあり、最近では「同じようなことが実際に現実の世界でも起きてしまうかもしれない」という予感に苛まれています。

ここからは、関連資料からの抜粋です。

角川春樹事務所とTBSが共同製作し、東宝が配給した1980年の日本映画。アメリカ大陸縦断ロケや南極ロケを敢行し、総製作費は25億円とも32億円ともいわれたSF大作映画である。

草刈正雄
ボー・スヴェンソン
オリヴィア・ハッセー
夏木勲
グレン・フォード
多岐川裕美
ロバート・ヴォーン
千葉真一
チャック・コナーズ
渡瀬恒彦
ジョージ・ケネディ
緒形拳

映画版ストーリー
1982年、米ソ冷戦は雪解けに向かいつつあり、米国軍でタカ派のランキン大佐にとって面白くない。一方、米国の細菌学者マイヤー博士は自分が作成に携わったMM-88というウイルスが東側に渡ったという懸念に、頭を抱えていた。ランキン大佐の来訪にマイヤー博士はMM-88を奪還できたかと問うが、CIAはまだ奪還できていなかった。MM-88は極低温下では活動を休止しているが、気温が上がると活発化して爆発的に増殖するモンスターウイルスだった。マイヤー博士は元々毒性がなかったMM-88にランキン大佐が各大学で作らせた研究成果を合わせて耐性や毒性をつけ、化学兵器として完成させていたことを問い詰める。その事実をマイヤー博士が告発しようとしていることを知ったランキン大佐は、軍の息のかかった精神病院にマイヤー博士を隔離する。

日本では南極観測隊に志願した地震予知学者の吉住(草刈正雄)が、恋人の則子(多岐川裕美)から別れを切り出されていた。一方、東ドイツの科学者は米国から盗み出した研究中のMM-88の毒性と脅威を知り、CIAを通じてサンプルをウイルス学の権威に渡してワクチン開発を依頼しようとしていた。しかし、科学者がCIAだと信じてサンプルを渡した相手はマフィアであり、彼らはセスナ機で逃走中にMM-88ごとアルプス上空で墜落事故を起こした。その直後からカザフスタンでは放牧中の牛が大量死し、イタリアでは嬰児と幼児を中心に感染が広まっていく。かつてのスペインかぜに倣って「イタリア風邪」と通称された疾患は全世界に広まりつつあり、米国大統領リチャードソンは事態を重く見て閣僚たちと対応策を練るが、爆発的な感染にワクチン精製が追いつかず、世界各国では暴動にまで発展する。この事態が化学兵器によるものではないかと指摘した上院議員バークレイに救出されたマイヤー博士は早速ワクチン精製に取りかかり、ランキン大佐を拘束に追い込む。一方、米国軍タカ派のガーランド将軍は示威目的で自動報復システムの起動を進言するが、リチャードソン大統領に拒絶される。

日本国内でも感染を拡大しつつある恐るべき致死率の「イタリア風邪」は(映画の中では、日本国内の死者数は3000万人とされている)、各国主要都市を次々に壊滅させていく。看護師として患者の対応に追われていた則子は疲労が祟り、吉住との子を流産してしまう。

「イタリア風邪」の猛威の状況は、南極にも知らされていた。隊長の中西(夏木勲)は各国の観測所と連絡を取り合い、事態の把握に努める。家族を日本に残す隊員たちの動揺は増すばかりで、妻子持ちの辰野(渡瀬恒彦)も焦りを隠せない。そんな中、ニューメキシコ州からとある少年の通信が昭和基地に届くが、無線機の扱いを知らない彼は父の銃で自殺する。辰野の動揺は頂点に達し、妻子の写真を抱えた彼は南極の大地に姿を消した。

ついにMM-88はソ連指導者をも死に至らしめ、米国リチャードソン大統領の妻も命を落とす。リチャードソン大統領は政敵バークレイと過去を語り合う中、南極にある米国パーマー基地の存在を思い出す。基地の健在を知ったリチャードソン大統領は最後の大統領令として、南極に残る各国基地の越冬隊だけが最後に残された人類であると語り、外出や侵入者を許すなと命令した。

新たに発足した南極政府の会議におもむくため、中西隊長と吉住はパーマー基地を目指す途中、ノルウェー基地で口論の果てに発生した銃撃戦から唯一まぬがれていた、臨月間近の女性隊員マリト(オリヴィア・ハッセー)を保護する。米軍のコンウェイ提督とソ連のボロジノフ博士は互いの遺恨を忘れて南極会議の中心に立ち、ノルウェー基地の吉住からは子供の無事誕生が伝えられた。子供はノルウェー語で「日の出」を意味する「Gry(グリー)」と名付けられた。

しかし、男性に対する女性の割合があまりにも少なすぎることからレイプ事件が起き、女性は貴重な資源として南極政府は性交渉を管理することとなる。さらにソ連の原子力潜水艦が救助を求めて寄港するが、艦内に感染者を抱えていた。寄港を許可できないと退ける(同じ祖国の)ボロジノフ博士に対し、艦長代理のスミノルフ少尉は上陸を強行しようとする。その窮地に現れた英国の原子力潜水艦ネレイド号はソ連の原潜を撃沈し、航海を続けるため去ろうとするが、感染者が出ていないことを確認されて上陸を許可される。英国ネレイド号の乗員たちを新たに加えた南極政府は最初のクリスマスを迎え、マリトと再会した吉住は彼女への好意を意識するが、マリトはクジで選ばれた別の男性と一夜を過ごすのだった。

MM-88の脅威はなおも健在であり、南極政府のラトゥール博士がそのサンプルと向き合う中、吉住が新たな脅威の種を発見する。それは、まもなくワシントンD.C.の近郊で巨大地震が発生するというものだった。遠く離れた南極とは無関係と思われたが、自動報復装置が作動していた場合、地震による衝撃を核攻撃とコンピューターが誤認して報復用のICBMが発射される。英国ネレイド号マクラウド艦長は自動報復装置の作動を確認しており、米ソは互いの南極基地をも照準していた。発射を阻止するための決死隊の人選が行われ、アメリカ人カーターはこんなものは馬鹿げていると志願し、吉住は自分が選ばれたと嘘をついて同行を申し入れる。カーターは吉住の理解しがたい行動に暴力をもって説得しようとするが、吉住の決意は変わらなかった。基地に帰った吉住は、仲間からの粋な計らいによりマリトと最後の一夜を過ごす。

万一の場合に備え、女性を中心とした一団は砕氷船で避難する。カーターと吉住はラトゥール博士からワクチンのサンプルを渡され、ネレイド号で大西洋からポトマック川をさかのぼってホワイトハウスに潜入するが、すでに前震が始まっており、地下にある自動報復装置を停止しようとする彼らの決死の行動もあと1歩のところでむなしく、核ミサイルは発射されてしまう。

そして、全人類が絶滅し、無残な姿を残した世界は二度目の死を迎えたが、ラトゥール博士のワクチンは有効だった。ただ1人生き残った吉住は歩き出し、南北アメリカ大陸を徒歩で縦断していく。途中、絶滅していった人間たちの数々の文明の遺跡が目の前でたくましく残る姿に励まされ、精神を病みおびただしい死者たちの絶望の声を聞いても歩みを止めなかった吉住は、やがてチリ南端にある湖畔へたどり着く。まさか…そこは、核攻撃から避難していたマリトやラトゥール博士たちの作った集落だった。


原作版ストーリー
196X年2月、イギリス陸軍細菌戦研究所で試験中だった猛毒の新型ウイルス「MM-88」がスパイによって持ち出される。スパイの乗った小型飛行機は吹雪に遭ってアルプス山中に墜落し、ウイルス保管容器は砕け散る。春が訪れて気温が上昇するとMM-88は大気中で増殖を始め、全世界に広まった。当初は家畜の疫病や新型インフルエンザと思われたが、心臓発作による謎の突然死が相次ぎ、おびただしい犠牲者を出してなお病原体や対抗策は見つからず、人間社会は壊滅状態に陥る。半年後、夏の終わりには35億人の人類を含む地球上の爬虫類・両生類・魚類・円口類を除く脊椎動物が、ほとんど絶滅してしまう。

生き残ったのは、南極大陸に滞在していた各国の観測隊員約1万人と、海中を航行していたために感染を免れた原子力潜水艦ネーレイド号(イギリス軍)やT-232号(ソ連軍)の乗組員たちだけであった。過酷な極寒の世界がウイルスの活動を妨げ、そこに暮らす人々を護っていたのである。南極の人々は国家の壁を越えて結成した「南極連邦委員会」のもとで再建の道を模索し、種の存続のために女性隊員16名による妊娠・出産を義務化したほか、アマチュア無線で傍受した医学者の遺言からウイルスの正体を学び、ワクチンの研究を開始する。

4年後、日本観測隊の地質学者の吉住は、旧アメリカアラスカ地域への巨大地震の襲来を予測する。その地震をホワイトハウスに備わるARS(自動報復装置)が敵国の核攻撃と誤認すると、旧ソ連全土を核弾頭内蔵ICBMが爆撃することや、それを受けた旧ソ連のARSも作動して南極も爆撃されることが判明する。吉住とカーター少佐はARSを停止するための決死隊としてワシントンへ向かい、ホワイトハウス地下の大統領危機管理センターへ侵入するが、到着寸前に地震が発生したためにARSを停止できず、その報復合戦で全世界は2回目の死を迎える。しかし、幸いにも南極は標的とならなかったうえ、中性子爆弾の爆発によってMM-88から無害な変種が生まれ、皮肉にも南極の人々を救う結果となる。

6年後、南極の人々は南米大陸南端への上陸を開始し、小さな集落を構えて北上の機会を待っていた。そこに、服が千切れて髪や髭はボサボサという、衰弱した放浪者が現れる。それは、ワシントンから生き延びて徒歩で大陸縦断を敢行してきた吉住だった。精神を病みながらも仲間のもとへ帰ろうとする一念で生還した吉住を人々が歓呼で迎えた。多くの犠牲を出したとはいえ、人類は滅亡寸前で新たな再生への道を踏み出すこととなったのだ。被災地に多くの文明の遺産が残っているおかげで、人類社会の再生は原始時代からのやり直しよりも遥かに迅速なものとなるという希望に満ちた見通しとともに物語の幕は下りる。


映画の中には、現在の新型コロナウィルス感染拡大の状況とよく似た描写が出てきます。医療崩壊、ワクチンの不足、特に被害の大きい国としてクローズアップされているイタリア(「イタリア風邪」という言葉も出てきます)、外出と感染者受け入れの拒否(劇中では感染者のいる潜水艦を“清潔区域“の南極に寄港させませんでした)、そして、核とウィルス。今月16日、首相はジャーナリストに対して「第3次世界大戦は核戦争になるであろうと考えていた。だがこのコロナウイルス拡大こそ、第3次世界大戦であると認識している」と語っています。

映画の中には、「人類は同じ誤りを繰り返し、そのたびに文明が滅びた。歴史にはっきり記されている通りだ。歴史を忘れた者だけが、過誤を繰り返す。我々もまた…」という台詞が出てきます。
そういえば、歴史上多くの文明が(立派な遺跡を残して)滅んでしまいましたが、これまで人類が滅んでいったのは戦争や侵略、自然災害などではなく、大体は疫病によるものが殆どなのだそうです。人類の歴史は、文明を築いては疫病で絶滅し…の繰り返しだったようです。まだまだグローバルではなく、大陸間での移動もない時代だったので、局地的な絶滅にとどまっていますが(人類の絶滅とは大袈裟かもしれませんが)、今では高度に文明が発達し人々の移動も密になっている時代なので、やはり今度は人類の絶滅も地球規模なのでしょうか。こんな歴史の繰り返しは経験したくないものです。

 

 

個別指導 当尾学院 tounoo.com

電 話

0964-32-9577

受付時間

11:00〜22:00

定休日・備考

3月から5月は土日休、6月から2月は不定休

住 所

〒869-0511

熊本県宇城市松橋町曲野1666-1

交 通

JR鹿児島本線松橋駅 徒歩20分 (当尾小横です)

ページトップへ